腸炎

 一昨日の夜に発症した腸炎がようやく落ち着いてきた。直近4年間で早くも3回目の腸炎なのだが、過去2回は下痢が止まらなくなるタイプだったのに対して今回は嘔吐型で、食べたもの飲んだものが(薬も含めて)すべてゲロになって逆戻りしてくるし、さらに高熱と激しい腰痛でろくに眠ることもできないという四面楚歌ぶりは本当に今年屈指の思い出になるくらいすさまじく、フェイスブックに「感冒性胃腸炎 2015.12.13~15」というアルバムを作って39度を示す体温計とか吐瀉物まみれの洋式便器とかの写真を載せればよかったと思うくらいであった。

 経験者は共感してくれると思うが、腸炎という病気は本当に無慈悲な病気だ。たとえば風邪を引いた場合には、喉が痛くなったり、鼻水が出たりなどの心の準備をする段階があるものだし、病院の帰りにコンビニでポカリスエットを買い込んで部屋で休んでいるときにはむしろ、束の間与えられた合法的な休息にささやかな幸福さえ感じたりすることもあるだろう。しかし、腸炎は本当についさっきまで何事もなく過ごしていたところへ突然、言いようのない倦怠感が体全体を襲ってきて、そこから先はひたすら「はい高熱出して!!!! はいゲロ吐いて!!!! はいうんこ漏らして!!!!」という無機質な病状がたたみかけてくるだけの、情緒もへったくれもないハードボイルドな病気なのだ。あまりに無慈悲過ぎて、人心を解さない紫色の宇宙人が自分の体を使って人体実験しているんじゃないかと思ってしまうくらいである。罹患したくない方は是非、食事の際は十分な加熱調理を心がけてもらいたい(私の場合は、過去2回は鳥刺し、今回は生卵が原因だった)。

 それにしても、社会人になってからの4年間、三度に渡る腸炎に加えて、同僚との腕相撲で骨折したことによる手術と入院とリハビリ(+翌年の抜釘手術)、さらにはインフルエンザにも罹患して病院へ行っており、私は千原ジュニアと同じくらい医学の力で再生を受けている。